メンテナンス
WordPress WEBサイトのメンテナンスチェックリスト
Updated : 2023.4.13
16分で読めます
すべてのWordPress WEBサイトは、安全性と機能性を維持し、一貫して良好なパフォーマンスを発揮するためには、定期的なメンテナンスと、それに伴う更新作業を行う必要があります。WordPress WEBサイトを維持する方法には、プラグインを使用する方法、メンテナンスサービスを利用する方法および手動で行う方法の3つがあります。
WordPress WEBサイトが更新され、安全で、スムーズに実行されていることを確認するためのガイドとなるメンテナンスのチェックリストが必要です。WEBサイトのパフォーマンスを向上させるため実行すべきタスクを、毎日、毎週、毎月、四半期および年単位でリストアップしました。WordPress WEBサイトを適切に維持するためのメンテナンスチェックリストをご紹介します。
この記事の目次
WordPress WEBサイトのメンテナンスが重要な理由
最も使用されているCMSプラットフォームの1つである WordPressは、WordPressホスティング、WordPressソフトウェアおよびテーマとプラグインコンポーネントで構成されるシステムで、そのシステム上にテキストとメディア ファイルを含むコンテンツを追加し、これらすべてが一体となり、WEBサイトとなっています。
WordPressは、常に新機能の追加やバグの修正、セキュリティパッチなどのアップデートが行われています。同様に、使用しているすべてのプラグインおよびWEBサイト全体もアップデートしていく必要があります。
これらすべての要素を頻繁に更新し、すべてが適切に連携していることを確認することが不可欠です。WordPressのメンテナンスを怠ると、古いテーマやプラグイン、または古いPHPバージョンを使用している場合、サイトはハッキングや攻撃に対してより脆弱になるため、WEBサイトが機能しなくなるリスクが高くなります。
- ロード時間の増加
- セキュリティの脆弱性
- ユーザーエクスペリエンスの低下
- 検索エンジンのランキング悪化
最適なパフォーマンスを維持するために、様々なメンテナンスを定期的に実行し、WEBサイトが常に最適な状態に保ちましょう。
WordPress WEBサイトのメンテナンスチェックリスト
WordPress 日常のメンテナンス
WordPressのWEBサイトでは、プラグインを利用し、毎日実行する必要があるタスクを自動化することが可能です。プラグインによっては、有効化されている他のプラグインと干渉してコンフリクト(衝突)する場合があるため、不具合が起きた場合は、プラグインを無効化し、専門家や制作会社に相談することをお勧めします。
稼働時間の確認
稼働時間とは、WEBサイトがユーザーに対して機能している(見える)時間です。WordPress WEBサイトにアクセスすることを毎日の習慣にして正常に機能していることを確認します。
稼働時間の監視を自動化する方法として「Uptime Robot(https://uptimerobot.com/)」のモニタリングサービスを使用したり、WordPressのモニタリングプラグインを使用する方法があります。
マルウェアチェック
WEBサイトがハッキングされた場合、検索エンジンが「第三者に被害を与えかねない危険なサイト」と判断し、検索結果に表示させないようにすることがあります。マルウェアスキャンを行い、感染した場合は、ファイルやマルウェアを削除します。インターネット上でWordPressのマルウェア感染を簡易的にチェックすることが可能な「Sucuri SiteCheck(https://sitecheck.sucuri.net/)」というWEBサイトがありますが、あくまでも簡易的なチェックになりますので、マルウェアスキャンが可能な「Anti-Malware Security and Brute-Force Firewall(https://ja.wordpress.org/plugins/gotmls/)」などを使用し、内部からチェックする方法をお勧めします。
オフサイトバックアップ
WordPressのファイルとデータベースのオフサイトバックアップを行います。WordPressには、自動でバックアップを行う「BackWPup(https://ja.wordpress.org/plugins/backwpup/)」のようなプラグインが多数あります。
外部サービスやメンテナンスプラグインを使用した場合、手動で行うと数時間かかる複雑なメンテナンスタスクを数分で簡素化することができ、WordPress WEBサイトのメンテナンスを完全に制御することが可能です。「WP Remote(https://wpremote.com/)」では、自動バックアップ、更新、マルウェアスキャン、マルウェア検出、クリーンアップ、自動スキャン、リアルタイムアラート、稼働時間の監視、オンデマンドレポートなど数多くのメンテナンスを処理することができ、メンテナンスに費やす時間と労力を節約することが可能です。
WordPress 毎週実施するメンテナンス
毎週実施するメンテナンスは、毎日実施するメンテナンスタスクと同様のWordPress WEBサイトを正常に保つための重要なタスクです。以下のタスクと合わせて「WEBサイトのメンテナンスチェックリスト/毎週実施するメンテナンス」のタスクも実施してください。
WEBサイトチェック
顧客の視点からすべてのデバイスとブラウザーでWEBサイトにアクセスして、速度や見た目、感じ方を深くチェックし、すべてが期待どおりに機能しているかを確認することで潜在的な問題を見つけることが出来ます。
リンクの修正
過去の記事などでリンクしていた外部WEBサイトの一部が存在しなくなっていたり、新しい場所に移動したりすることがあります。リンク切れの問題は、外部リンクだけに限定されるものではなく、メディア内のファイル削除や不適切な形式のリンク追加、リンクの記述ミスなど、WEBサイトの規模が大きくなるにつれ、増加しやすくなります。リンク切れは、ユーザーエンゲージメントを損なう危険性がありますので、定期的にWEBサイト上のすべてのリンクが切れていないかをチェックし、修正していきます。リンク切れを見つけるには、「Broken Link Checker(https://ja.wordpress.org/plugins/broken-link-checker/)」などのプラグインを使用する方法があります。
メンテナンスで行ったすべてのリンクの変更を確認できるように、ExcelやGoogleスプレッドシートなどでpage、old URL、new URLのリンク変更を記録しておくことで、リンクが壊れているかを見つけ易くなります。
WordPress、プラグイン、テーマのアップデート
WEBサイトを守り、機能を維持したい場合は、WordPressコア、プラグイン、テーマを最新のものに更新することが不可欠です。毎週、すべてのバージョンを常に監視し、最新のものを使用していることを確認しましょう。WEBサイトに適用する前に、テスト環境で更新をテストすることをお勧めします。
フォームの動作チェック
重要なフォームや機能 (チェックアウトなど) がある場合は、定期的にテストすることが重要です。メンテナンスの頻度は、フォームや機能がビジネスにとってどれほど重要かによって異なります。問題が発生すると収益やクライアントが失われる、業務遂行に必要不可欠なフォームの場合は、毎週テストするか、自動監視システムの導入をお勧めします。
スパムコメントの削除
スパムコメントを削除する頻度は、WEBサイトのコメント設定によって異なります。管理者の承認無しでコメントを投稿できるWEBサイトの場合は、実際のコメントを承認し、スパムコメントにフラグを立てて削除するように、毎週モデレートする必要があります。コメントの管理にかかる時間を節約するには、 「Akismet Spam Protection(https://ja.wordpress.org/plugins/akismet/)」などのプラグインを使用する方法があります。
Google Search Consoleの確認
WEBサイトの SEOまたはモバイルの最適化で問題が発生していないか、Google Search Consoleで検索順位や検索でのクリック数、クリック率、表示回数などの検索パフォーマンスをチェックします。
WordPress 毎月実施するメンテナンス
毎月の定期的なメンテナンスでは、改善が必要な領域を特定するためにWEBサイト全体を確認し、ユーザーエンゲージメントを分析します。以下のタスクと合わせて「WEBサイトのメンテナンスチェックリスト/毎月実施するメンテナンス」のタスクも実施してください。
パフォーマンスの分析
WEBサイトのパフォーマンスは、ホスティング、使用しているプラグインとテーマ、画像サイズやファイル形式など、いくつかの要因の影響を受けます。WEBサイトの読み込み速度は、ユーザーエクスペリエンスとコンバージョン率に重要な役割を果たします。 Google PageSpeed Insights などのツールを使用して、WEBサイトの速度を確認し、WEBサイトのパフォーマンスを定期的に評価して、潜在的な問題を検出することが重要です。 一般的なWEBサイトでは 1 か月に1回、業務遂行に必要不可欠なWEBサイトでは毎週分析することをお勧めします。
トラフィックの分析
WEBサイトで何が起こっているかを理解するには、Google Analytics 4などのWEBサイト分析ツールを使用します。
デジタルマーケティングが戦略の重要な部分である場合は、毎日WEBサイトの分析を行います。最低でも月に 1 回程度は、Google Analytics 4などのWEBサイト分析ツールを確認し、何が起きているかを追跡し、傾向を把握します。
SEOが戦略の重要な部分である場合は、キーワードモニタリングを設定し、検索エンジンのランキングを追跡し、毎月WEBサイトの分析を行います。
WEBサイト統計の分析
数値の分析は、WEBサイトの成功を追跡および測定するために不可欠で、ビジネスを前進させるために取るべき行動方針を決定します。最も人気のあるコンテンツ、最も人気のないコンテンツ、訪問者はどこから来ているか、最適なコンバージョンソースは何かなど、より多くのトラフィックを獲得し、潜在的な顧客を見つけるのに役立つ情報をチェックし、活用します。
データベースの最適化
WordPress WEBサイトのデータベースは、すべてのコンテンツ、テーマ設定、プラグイン設定などを保存しており、時間の経過とともに、投稿のリビジョン、スパムコメントなどによって問題が生じる場合があります。WEBサイトのデータベースを定期的に最適化して、「WP Rocket(https://wp-rocket.me/ja/)」などのプラグインを使用し、データベースの最適化を実行します。
WordPress 四半期ごと実施するメンテナンス
四半期ごとのメンテナンスは、WEBサイト全体のパフォーマンスの維持に重点をおき、セキュリティの更新、データベースの最適化およびユーザーエクスペリエンスの向上に努めます。以下のタスクと合わせて「WEBサイトのメンテナンスチェックリスト/四半期ごと実施するメンテナンス」のタスクも実施してください。
パスワードを変更
すべてのオンラインアカウントには、推測しにくい強力で一意のパスワードを設定する必要があります。これは、WordPress WEBサイト、FTPアカウントおよびデータベースに当てはまります。最も強力なパスワードでさえ、知らないうちに侵害される危険性がありまので、WordPress のパスワードを定期的に変更することを推奨します。
不要な管理者の削除
WordPressアカウントに不要な管理者が含まれていないことを確認し、不要な管理者をすべて削除してください。
未使用のプラグインとテーマ、不要なファイルの削除
不要なプラグインとテーマをすべて無効化します。最新のデフォルトのWordPressテーマは決して削除しないでください。
メディア ライブラリを定期的にクリーンアップすることをお勧めします。wp-contentフォルダー内の不要なファイルを確認し、メディアライブラリを参照します。不要になった画像、動画などのファイルを削除します。「Media Cleaner(https://ja.wordpress.org/plugins/media-cleaner/)」などのプラグインを使用し、壊れた画像を自動的に削除することが出来ます。バックアップを実行してから削除を行います。
画像の代替テキストの確認
WordPressの代替テキストは、SEOに影響するため、画像に代替テキストがあることを確認します。
WordPress 毎年実施するメンテナンス
年1回のメンテナンスは、コンテンツの監査と検索エンジンの最適化、ホスティングの見直しや年1回必ず更新する必要がある著作権の更新などを行います。以下のタスクと合わせて「WEBサイトのメンテナンスチェックリスト/毎年実施するメンテナンス」のタスクも実施してください。
コンテンツの監査
コンテンツ監査は、WEBサイトの SEOとユーザーエクスペリエンスを改善する優れた方法です。Google Search Console と Google Analytics 4(GA4)のデータを使用し、セールスコピー、ブログ投稿、製品説明など、WEBサイトのすべてのコンテンツを監査し、トラフィックは多いがコンバージョン率が低いコンテンツを特定し、改善して、検索エンジンに最適化します。1 年経ってもまだトラフィックが発生しているブログやコンテンツを更新していき、コンテンツの改善に努めます。
また、1年に一度は投稿を更新しましょう。
ヘッダーとフッターの情報更新
WEBサイトのヘッダーとフッターに記載されている情報を最新の状態に更新します。
ドメインとホスティングの更新
信頼できるWEBホストは、WordPress WEBサイトの成功に必要不可欠です。WEBサイトが成長するにつれて、現在のホスティングより上位のプランにアップグレードするか、より良いホスティングに移動する必要があります。WordPressをアップデートしたくても、WordPressの最新バージョンに対応していないというホスティングもあります。1年に1回は、ホスティングのパフォーマンス、信頼性および機能に関してニーズを満たしているかどうかを確認し、より優れたホスティングプロバイダーを検討する必要があります。
サイトマップの更新
1年に一度は、サイトマップをGoogle Search Consoleにアップロードし、リクエストします。検索エンジンは、何もしなくてもサイトマップを見つけることができますが、新しいページを公開したり既存のページに大幅な変更を加えた場合は、コンテンツのインデックス作成を高速化するために、その都度、新しいサイトマップをアップロードすることをお勧めします。「Google XML Sitemaps(https://ja.wordpress.org/plugins/google-sitemap-generator/)」を使用し、サイトマップを更新する方法もあります。All in One SEO Packを使用している場合は、このGoogle XML Sitemapsとコンフリクトしないように、All in One SEO Packの「サイトマップの有効化を“無効化”」して使用します。
WEBサイトデザイン更新の検討
ビジネス戦略の変化や最新のデバイス、インターネット環境の変化などにより、WEBサイトのパフォーマンスが低下し、最新の状態を保てなくなってきている場合は、サイトリニューアルの必要性を検討します。
この記事のまとめ
WordPress WEBサイトのメンテナンスは、WEBサイトが安全で、不具合がなく、最適な速度で動作することを保証するための重要なタスクです。これらのタスクには、毎日実行する必要があるタスクもあれば、データベースの最適化など、それほど頻繁に実行しないタスクもあります。適切なプラグインを使用してメンテナンスの自動化することをお勧めします。
「優先すべき4つのWEBサイトメンテナンスとは?」を詳しく見る
CMS保守に関する情報はこちら お問合せ、お見積もりはこちら※記事で紹介している外部サービスやプラグインは、本記事更新時点(2023年4月)の情報になります。